いつもサイン会の度に本のテーマにあわせてサインを変えてしまうんです。今回何にしようかな〜と思ったとき,辰年でもあったので龍でいこう,と。
一番の整理券を取った方が朝の7時くらいからお店の前に並んでいらしたという話を聞いたので,これはタダのサインじゃつまらんな,と。最初の方は変若水(おちみず)汲み,というわけで一番目の人は『変若水』とサインと『龍』でした。
そのあとから14人目毎に『朔』と『望』です。まず『朔』(新月)から始まって14番目に『望』(満月),合計で十人くらい。そのほかの方は『龍』ですね。でも,列が整理券の順番だと思ったんですが,実は会場に着いた順番だったそうで,整理券一番の方,残念でしたネ。
サインをしている間,皆さんがとても真面目で。このサイン会の間ずうっと頭に浮かんだ感想というのが,その場の全部の状態が『厳』(いづ)という言葉なんですよ。サインをもらう人の気持ちの状態も『厳』になってるのか,それが凄く気持ちが良くって。
その後,『厳』という言葉がそのままひっかかって…。『厳』とは何だろう,なぜ今『厳』なのだろうとずっと心にあったんですが,後日発作的に広島の尾道で開催された『龍の展覧会』に行ったら,あったんですよ『厳』が。出口王仁三郎が書いた絵なんですが,二匹の龍がからみあっている。そのうち陽の龍が『厳』(いづ)陰の龍が『端』(みづ)とあって,ああ,なるほど…と。(笑)
そして,ますます『厳』という言葉について考えてしまうのですが,日本の本当の何ていうかな,神に対する根底の精神は『厳』じゃないかなと思います。それをサインを受けに来た皆さんは感じていたんじゃないかな。ですから綺麗でしたよ,サイン会の状態っていうのは…。
凍った洞穴みたいな感じ。でも氷なんかじゃなくって,岩が凍ったような洞穴の中にいるみたいでしたね。お互いに凄くいい時間が取れたんじゃないかなと思います。
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