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OKANO |
今世紀までは四次元の平面的な水平思考ですんでいたけれど,21世紀は五次元の縦系統を開かなくてはね。もう,準備はできているし,人間次第でしょうね。 |
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ICHIKO |
うん。私は,何で先へいく決意をしたかというと,これは次は,次元をいっこ,増やさないとだめだなと思ったんだ。 凄い専門的な話なんですが,音楽ってのが,以前一回終わってるんですよ。スタイルとか,今までの文化の流れってのがあって,それで音楽や,他の絵画とか建築とか全部含めて,私はそのピークが70年くらいだと思ってる。…みんなそう思ってんだと思うんだけど。 で,音楽に次があるのかと思ったら実はなくって,それのあとテクノロジーの発達とかで,昔の色んなものを焼き直ししたりしながらやってきた。 例えば一世代前の人たち,その七十年代ピークにもっていく前というのは,新しいことをやろうと思ったら,方法論を探せばよかったわけですよ。例えば,こういうビートにしようというふうに。まだ現代音楽が出てくる前は,メロディも様々な組み合わせがあって,コードの組み合わせもあって,新しくどんどんまだやれることが残ってたわけですね。 ところが,現代音楽でもうそれはなくなった。メロディとコードの組み合わせがもうなくなったので,12音階の緊張感みたいなものも探求したんだけれども,それももう終わってしまう。そうするとそれからあとは,テクノロジーでなんとかまあ保たせてきた。そしてもう,そういう方法論じゃなくて,次へ…でも次がないのかな,あるのかなって私は考えたの。 ある,ことだけは解るんだけれど,で,そこへ行くためにどう勉強しても努力しても研究しても,無駄。次元をひとつ増やさないと無駄。だけどでも,次元をひとつ増やすことがどういうことなのか,さっぱり分かんない。だけど,要するに自分の内面の次元を増やすことなんだろうな,と思った。で,それは,やっぱこういう事だろう,って思って,ひとつひとつやってきてもう大分来たかなって思う。 |
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OKANO |
芝先生がおっしゃってたんですが,雅楽以前に孔子が創った音楽ってのがあるんですよ。 |
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ICHIKO |
なるほどね,それはあるかもしれない。それに,形をかえて戻るっていう。 そこより高いとろはないかも知れない…だって最初には全てがあった訳だからね。 で,その全てがどんどんどんどん削られてゆく訳じゃないですか。聞こえるものにしろ能力にしろ…。 でも,それはある意味では凄く面白い時代に生きたっていうような気がする。 70年代,ピークに向かっている時って凄くきっと面白かったと思うんですよ。最高に興奮度高かったと思うんだけど,それはずっと流れの内のことでしょ。 そして今の若い人は,世代的にはこれちょっと分かんないんだけど,結構諦めたところから入っていってると思うんですよね。もう見ちゃってるから,終わって…終わったところで生まれてきたような人だから,ある種諦めっていう。 で,それは言葉で意識化されたところではたいへんポジティブなんだけど,無意識の部分では相当諦めたところから始まっている。けれども私たちは,何か,終わったんだか終わってないのかわかんない頃に創るということに入っているわけだから,何となく諦めてないところから入っているんですよ。境界を一回味わってるから,ある程度長持ちする。 |
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OKANO |
崩壊してゆくところを見てますからね,やっぱり。 |
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ICHIKO |
情報量がどんどんどんどん増えてゆく世界,この崩壊場面っていうのを,結構リアルタイムに近いところで見ていて,それで次へゆくっていう丁度橋渡しの世代ですね。で,そこに居るってのは,やっぱり凄い面白いって。 |
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OKANO |
面白いよね。最初から全部が揃ってるわけじゃないからね。順々とあがっていく様を,また崩壊してゆく様を見ているわけだし。 |
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ICHIKO |
そう。あれってやっぱり自分にきちんと向き合うこと。 |
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OKANO |
ない。(笑) |
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ICHIKO |
もう,その厳しささえ乗り切れば,面白いんだけどね。 |
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OKANO |
もっと拓ける。(笑) |
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ICHIKO |
拓けるね。 |
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(2000年10月某日,見晴らしの良い場所の夕暮れにて収録)
epilogueに続く… |
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